およそ10年前にヒトのゲノム情報が解明され、近年、その利用が進んできています。その中でも、ヒトの遺伝子情報を診断や治療に利用する試みが特に進んできており、がんやウイルス感染などのリスクを個々人のレベルで判定することも可能になってきました。これがいわゆるテーラーメイド医療(個別化医療)です。テーラーメイド医療が進むことで、予防を中心にした医療が可能になり、病気になっても患者さんの負担をできるだけ抑えた治療法が選択できるようになります。
テーラーメイド医療用診断機器として、多くの遺伝子の情報を一度に簡単に取得できるDNAチップ技術が注目されており、医薬品の代謝効率判定用DNAチップやウイルスのタイピング用DNAチップなど、様々な診断用DNAチップが実際に診断に利用されています。DNAチップは、検出したい遺伝子情報を持つDNAを数センチ角程度の基板(チップ)の上に数十から数万個のスポットとして格子状に整列させた一種のセンサーで、多くの病気の診断に利用されることが期待されています。しかし、多くの遺伝子情報を取り扱うために、感度や精度など様々な基準をクリアーすることが求められますが、そのような情報を得ることは容易ではありません。本事業では、診断用DNAチップを開発する企業や大学などの研究機関に対して、開発の際に役立つ情報をまとめたガイダンスや標準化のための資料を作成しました。
発行された医療機器等開発ガイドライン・報告書
発行年 | 開発ガイドライン等 | 関連する報告書 |
2015/3 | 標準化資料「DNAチップを用いた医療用診断装置の性能評価法に関する指針」(H26年度) | H24年度報告書 |
2013/3 | 遺伝子発現解析用DNAチップ[改訂版] 開発ガイドライン 2012 | H23年度報告書 |
2012/8 | 遺伝子発現解析用DNAチップ 開発ガイドライン 2012 | 【改訂版あり】 H22年度報告書 H21年度報告書 |
2007/5 | DNAチップ 開発ガイドライン 2007-遺伝子型(ジェノタイピング)検定用DNA チップに関して- | H18年度報告書 |
関連する評価指標
発行年 | ||
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2019/5/23 | マイクロ流体チップを利用した診断装置 | |
2012/11/20 | RNAプロファイリングに基づく診断装置の評価指標(薬食機発1120第5号 通知) | |
2008/4/4 | DNAチップを用いた遺伝子型判定用診断薬に関する評価指標(薬食機発第0404002号 通知) |
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